kamikazetyphoonの日記

浅すぎて足湯にもならない映画感想文

レディバード

あらすじ

2002 年、カリフォルニア州サクラメント。閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン(自称“レディ・バード”)。高校生最後の 1 年、友達や彼氏や家族について、そして自分の将来について、悩める17 歳の少女の揺れ動く心情を瑞々しくユーモアたっぷりに描いた超話題作!

感想

悩める少女だけど見てる側の性別問わないです。青春ものというには明るすぎず暗すぎず、気軽に観られる作品です。

ぶっちゃけティモシーシャラメ目当てだったんですが、主役のシアーシャ・ローナン、23歳なんですがリアルな女子高生そのものでそっちのほうに魅入ってしまいました。マッチスティックメンのアリソン・ローマンみたいです。最初もうほんと芋みたいな少女なのに作中の出来事に揉まれて最後にはハッとするくらい瑞々しい女性に成長していきます。教会のシーンのレディバードがとにかく綺麗。物語が主人公を美しくするのはバグダッドカフェを思い出します。

レディバードがその時々のコミュニティで感じることや常に抱えてる悩みがああーってなるものばっかりです。個性出そうとして逆に埋もれていく感じとか。

特に私は貧富の差のあたり共感しましたね。臆すれば貧するを地で行く家族だなーと。富裕層の子にはわかんないんですよね、イヤミじゃなく本気で。なんでそんなことするの?って。

進学、家庭、サークル、友達、恋愛いろんな葛藤がごちゃごちゃせずにすーっときれいな一筋の清流に合流していくのが本当に見事だなと思いました。グレタ・ガーウィグさんという監督なんですけど、最近だと犬が島や20センチュリー・ウーマンの監督さんですね。盛り上げというまではいかなくてもよっしゃあ!てなるとこがありますね。

ただパパさんがん?と思いました。最近よく出てくる判で押したような子供に理解のあるだめ親父なんですよね。世相なのかな?

なんかお前勝手にやってるけど今家支えてんのかみさんやぞと突っ込んでしまいそうになる。でもまあ結果的に良い方に転ぶんですけど、それもレディバードがちゃんと考えてたからだからな!ただのわがままなティーンじゃないのよ。

ティモシーシャラメはただのクズでした。もうまんまお山の大将。観てる私達は解るんですよ。あ、こいつクズだって。こういう奴がいてこんな感じになるよなって思う。

パンフレットが可愛いです。何の気なしに買ったら結構あたりのパンフレットでした。本当はこういう映画をもっとティーンに観て欲しいのに、劇場にはいるよしもなく。この辺は映画界と広告業界のせいなんですがね。映画館で売ってるホットスナックやグッズもカスみたいなのばっかりだし。悲しいですが滅ぶべくして滅ぶでしょう、日本の映画。

その点VRにはかなり期待を寄せてます。現状の配給等の既得権益を無視してどこでも劇場にできますから、以前の映画の再評価とかにもつながるんじゃないでしょうか。名画座どんどん絶滅してますからね。最近だと個人で借りるシアタールームもチラホラ出てきてますね。劇場で感じる臨場感や観客のリアクションとか、ああいうものを信じてる人に上に立って欲しいと願うばかりです。

なんかよくわかんなくなっちゃったけどレディバード良かったよ。というだけです。